あさりやしじみの上手な砂抜き | 料理初心者 | 初めての料理

あさりやしじみの上手な砂抜き

あさりやしじみを使って、せっかくおいしい料理を作ったのに、砂抜きが上手に出来なくてガリッと残念な思いをしたことはありませんか?

ここでは家庭で簡単にできる、あさりやしじみの上手な砂抜き方法とそのメカニズムについて紹介します。

 

砂を吐くメカニズムを知る。

あさりやしじみは、海水に浸かっている時には貝をあけて呼吸しています。

一方、浸かっていないときは安全のため貝をあけません。

つまり、呼吸する時に砂が入り、海水に浸かっていないときは貝をあけないので砂が入ったままの状態ということになります。

それでは、家庭でどのようにすれば、あさりやしじみは貝をあけて呼吸してくれるのでしょうか。

 

あさりやしじみに呼吸させる方法

ご家庭であさりやしじみに呼吸してもらうためには、海水と同じ濃度の塩水を真水(水道水)と食塩から作れば良いです。

あさりは塩水濃度が3~4パーセント。(水1リットルに対して塩30g)
しじみは塩水濃度が0.5~1パーセント。(水1リットルに対して塩5g)

この塩水に浸してやることで、あさりやしじみは貝をあけて呼吸し、その時に砂を出してくれます。

また、海水中であさりやしじみは、細胞の内側と外側の浸透圧をつりあわせようとする習性があり、細胞内のアミノ酸(旨み成分)を増やすことでこれを調整しています。

つまり、上記で作った塩水に浸しておくことであさりやしじみの砂抜き、さらに旨みアップをさせることができます。

さて、塩水に浸すだけでは完全な砂抜きはできません。

さらに注意してもらいたい点があります。

 

砂抜きで注意すること

あさりやしじみは普段明るいところで生活はしていないので、より生息環境へ近づけるためにできるだけ暗いところで砂抜きするようにします。砂抜きの時間は目安として3時間です。

砂抜きする時は、貝が重ならないように並べます。重ねてしまうと上のあさりが吐いた砂を下のあさりがキャッチするという残念なことが起こります。

砂抜きの時にあさりを沈めすぎないようにします。貝が半分浸かる程度の水量にしましょう。
そこで、吐いた砂だけが落ちるように平らなトレーと平らなザルを用意すると良いです。

水温に注意して下さい。熱すぎても冷たすぎてもよくありません。20度程度にしましょう。

 

以上が注意したい点です。最後に砂抜き手順をまとめます。

 

あさりやしじみの砂抜き手順

  1. 貝の表面を真水でサッと洗い、砂を落とします。
  2. 平らなトレーに平らなザルをのせて、その上に貝を並べます。
  3. 塩水を作ります。
    あさりは塩水濃度が3~4パーセント。(水1リットルに対して塩30g)
    しじみは塩水濃度が0.5~1パーセント。(水1リットルに対して塩5g)
  4. 作った塩水で貝を半分ほど浸します。
  5. 上から通気性のよい布などをかけて(潮が飛ぶため)、暗くて涼しいところで3時間~置きます。
  6. 3時間経過後、真水で洗い、調理で使用します。

 

如何でしょうか。

あさりやしじみは真水に漬けておくと死んでしまうのでくれぐれも注意して下さい。

また、お店などで買う時も最初から死んでいないか気をつけて買うようにしましょう。

 

 

  • 関連記事

    家庭で使える包丁の選び方

    ひとくちに包丁といっても様々な大きさや形状のものがあります。 特に、初めて包丁を買う時は世の中に出回っている種類の多さに圧倒されて、案外困るものです。 ここでは、家庭向けとされる包丁を中心に、種類や刃の材質による違いを簡… もっと読む »

    包丁の正しい使い方(知識編)

    皆さんのご家庭ではいくつの包丁をお持ちでしょうか。 包丁にはそれぞれ特性があり、その種類によって使い方が異なります。 使い方を間違えてしまうことで、食味を落とすだけでなく、場合によっては刃が欠けてしまったり、無理に力を入… もっと読む »

    パスタに塩を入れて茹でる理由。

    パスタを茹でる時、お湯1リットルに対して10g程度の塩を入れることが知られています。 子供の頃に、両親から教わっていたり、友人に教えてもらっていたり、知らず知らずのうちに常識になっているパスタの塩茹でについて、その理由を… もっと読む »

    お肉を美味しく柔かくする方法

    比較的安価なお肉を料理に使用すると、ゴムのような噛み応えで噛み切れない、美味しくないといったことはないでしょうか。 特に、とんかつやローストビーフ、ポークソテーなど、厚いお肉を使用するシーンでは、お肉が柔かくなければ満足… もっと読む »

    包丁の正しい使い方(実践編)

    ここでは実際に写真で確認しながら包丁の使い方を説明していきます。 包丁を使う上で注意していきたいのは、「姿勢」「握り方」「切り方」の3つです。   包丁を使う時の姿勢 足は肩幅程度に開いて、利き手の反対の足を少… もっと読む »

    魚に塩をふる正しいタイミング

    焼き魚へ塩をふるタイミングについてご存知でしょうか。 焼く前に塩をふるのでしょうか、焼いた後に塩をふるのでしょうか。 今日はそんな魚に塩をふるタイミングについて紹介していきます。   焼く前に塩。 焼き魚に塩を… もっと読む »

    里芋の皮の剥き方

    里芋の皮は茹でることによって簡単に剥くことができるようになりますが、剥き難い皮もあります。 剥き難い部分については、あまり固執せず、あとで包丁で切り落とすようにします。   里芋の皮の剥き方 まずは里芋の泥をさ… もっと読む »

    食材保存の基本

    ここでは食材を保存するにあたって基本的な保存の仕方と注意事項を確認していきたいと思います。   食材ごとの保存方法 肉類 肉類は鮮度が著しく低下するため、買ってきた当日中に食べるようにします。 当日中に食べる場… もっと読む »

    家庭で使える包丁の選び方

    ひとくちに包丁といっても様々な大きさや形状のものがあります。 特に、初めて包丁を買う時は世の中に出回っている種類の多さに圧倒されて、案外困るものです。 ここでは、家庭向けとされる包丁を中心に、種類や刃の材質による違いを簡… もっと読む »

    パスタに塩を入れて茹でる理由。

    パスタを茹でる時、お湯1リットルに対して10g程度の塩を入れることが知られています。 子供の頃に、両親から教わっていたり、友人に教えてもらっていたり、知らず知らずのうちに常識になっているパスタの塩茹でについて、その理由を… もっと読む »