料理でとろみをつける時に、きれいにとろみがでなかったことはないでしょうか。
思ったよりもとろみがでないと思い、片栗粉など追加したら今度はドロドロになってしまった、あるいはダマになってしまったなど、経験はないでしょうか。
ここではとろみのメカニズムを理解して、きれいにとろみをつける方法や失敗してダマにならないコツを掴みましょう。
なぜとろみがでるのか?
まずはとろみのメカニズムを知りましょう。
とろみをつけるためには、片栗粉・くず粉・コーンスターチなどを利用しますが、それぞれ原料が違います。
片栗粉はじゃがいも、くず粉はまめ科クズ属のつる性多年草であるクズの根から得られるデンプン、コーンスターチはとうもろこしから作られたデンプンで、これらはいづれもデンプンとなっています。
デンプンには粘りやツヤをつけたり、温度が下がるのを遅らせたりする効果があります。
例えば、あんかけ焼きそばのあんは粘り(とろみ)そしてツヤがあり、温度も下がり難いですよね。
デンプンの構造はアミロースとアミロペクチンの2つに大別されます。
このアミロペクチンは、枝分かれの多い構造で、水と共に加熱すると枝分かれが広がっていき、そこに水を抱え込むことで流れ出にくい固まりが作られます。
これがあんの正体です。
ダマにならないためのコツ
ここでは、片栗粉を例に見ていきます。
片栗粉などを熱したスープやタレなどの中にいれると粒子の表面だけが急速に変化して互いにくっついてしまい、アミロペクチンの枝分かれが広がっていかないためダマになってしまいます。
ダマにならないためのコツは、アミロペクチンがきれいに広がっていくことにあります。
これには、広がるための充分なスペースと熱と水が必要になります。
まずは、片栗粉と水を混ぜ合わせますが、この時、片栗粉は水に溶けない性質のため、絶えず混ぜておく必要があります。
そして、スープ等に入れる時は、火を止めてから、何度かに分けて水で溶いた片栗粉を少しずつ加えていき、スープ中でも混ぜるようにします。
こうすることで、粒子がくっつくことなく広がっていき、ダマになりません。
料理によって使い分ける
前述したとおり、とろみをつけるための材料として片栗粉・くず粉・コーンスターチなど使用しますが、それぞれ料理によって使い分けましょう。
主な使い分けとして、温かいまま食べる料理、例えば中華料理などは片栗粉を使うことが多く、お菓子にはくず粉、そして、冷めてもとろみがほしい料理にはコーンスターチを使用します。
それぞれの特徴を生かし、料理に役立てていきましょう。