現代では、それこそ冷凍技術の進歩によって長期保存が可能になりました。
冷凍技術が進歩する前までは、どのように食材・食品を長期に渡って保存していたのでしょうか。
それは、塩や砂糖に漬けることによって実現していました。
なぜ、塩や砂糖に漬けると保存が効くようになるのでしょうか。
ここでは、塩や砂糖で漬ける理由とその効果をまとめてみたいと思います。
食材が傷む原因は?
常温下で食材を置いておくと、カビが生えたりあるいは腐敗したりします。
これは細菌などの微生物増殖によるものです。
微生物が増殖するためには水分が必要なのですが、ほとんどの食材は水分を含んでいるため、微生物にとって増殖しやすい環境なのです。
そこで、微生物の増殖を防ぐために用いられたのが塩や砂糖でした。
塩・砂糖で漬ける理由
塩でも砂糖でも働きは同じです。
食材に塩あるいは砂糖を塗ることによって、食材に含まれる水分が浸透作用によって塩・砂糖側へ流れ出ていきます。
これは、なめくじに塩と同じ原理ですよね。
なめくじに塩をかけるとなめくじの水分が塩側へ浸透して、なめくじが小さくなります。
その結果
浸透作用により、食材の水分、そして微生物の水分は、塩・砂糖側へ放出されます。
その結果、微生物にとって必要な水分が無くなり、これらの増殖を防ぐことになります。
微生物の増殖が減少するということは、カビや腐敗の進行も減少するということです。
よって長期保存ができるようになります。
塩蔵や糖蔵は味の面では全く異なりますが、食品を保存するという面では同じ働きをしていると言えます。
如何でしたでしょうか。
現代では減塩、抵糖が当たり前のようになってきてはいますが、その分だけ保存期間が短くなっていることに注意しましょう。
以上、塩と砂糖で漬ける理由をまとめました。