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食物繊維摂取の必要性

近年、食生活の欧米化やライフスタイルの変化に伴い、食物繊維の摂取量が年々低下していることが報告されています。

食物繊維が不足することで、便秘に成りがちになり、さらには大腸がんのリスクを上げる可能性があります。

●2013年の死亡数が多い部位は順

1位 2位 3位 4位 5位
男性 大腸 肝臓 膵臓 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸8位
女性 大腸 膵臓 乳房 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸3位、直腸9位
男女計 大腸 膵臓 肝臓 大腸を結腸と直腸に分けた場合、結腸3位、直腸7位

がん情報サービス:最新がん統計より引用

 

 

また、食物繊維を摂取することで、体にとって様々な有益な生理機能が期待でき、厚生労働省はこれを積極的に摂取するように勧めています。

 

厚生労働省:日本人の食事摂取基準2015年度版」では、食物繊維の食事摂取基準は次のように定められています。

 

食物繊維の食事摂取基準(g/日)

年齢 男性 女性
目標量 目標量
0~5(月)
6~11(月)
1~2(歳)
3~5(歳)
6~7(歳) 11以上 10以上
8~9(歳) 12以上 12以上
10~11(歳) 13以上 13以上
12~14(歳) 17以上 16以上
15~17(歳) 19以上 17以上
18~29(歳) 20以上 18以上
30~49(歳) 20以上 18以上
50~69(歳) 20以上 18以上
70以上(歳) 19以上 17以上

 

食物繊維の効果

食物繊維は消化されることなく、小腸を通り大腸まで達する成分で、便秘を予防する整腸効果があります。

便の量を増加させて、腸内のビフィズス菌や乳酸菌の割合を増やすことで便秘を改善し、腸内における発がん物質の生成を抑えます。

これによって、大腸がんなど、腸疾患や代謝性疾患の多くを予防する効果があると認められています。

また、血糖値の急激な上昇を抑制する効果を持ち、糖尿病や肥満などの予防になるとされています。

 

食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられています。

水溶性食物繊維は血糖値の急激な上昇を抑制する効果やコレステロールの吸収を抑制する作用があるとされています。

一方、不溶性食物繊維は、便の量を増加させ、大腸がんの予防などに効果があるとされています。

 

食物繊維を効率よく摂取するには

食物繊維を摂取するには、豆類・野菜類・果実類・きのこ類・藻類などに多く含まれます。

主な食品100g中の食物繊維
項目 状態 食物繊維
総量
水溶性
食物繊維
不溶性
食物繊維
ワカメ 68.9 g 9.0 g 59.9 g
ヒジキ 60.7 g 22.5 g 38.2 g
コンブ 36.5 g 7.4 g 29.1 g
かんぴょう 30.1 g 6.8 g 23.3 g
海苔 26.4 g 10.8 g 15.6 g
切り干し大根 20.7 g 3.6 g 17.1 g
アズキ 17.8 g 1.2 g 16.6 g
ダイズ 17.1 g 1.8 g 15.3 g
コムギ 10.8 g 0.7 g 10.1 g
おから 9.7 g 0.3 g 9.4 g
大麦 9.6 g 6.0 g 3.6 g
エンバク(カラスムギ、オートミール) 9.4 g 3.2 g 6.2 g
糸引き納豆 6.7 g 2.3 g 4.4 g
モロヘイヤ 5.9 g 1.3 g 4.6 g
ゴボウ 5.7 g 2.3 g 3.4 g
オクラ 5.0 g 1.4 g 3.6 g
蕎麦 乾麺 4.3 g 0.8 g 3.5 g
シイタケ 3.5 g 0.5 g 3.0 g
玄米 3 g 0.7 g 2.3 g
カボチャ 2.8 g 0.7 g 2.1 g
タケノコ 2.8 g 0.3 g 2.5 g
ニンジン 生、皮むき 2.5 g 0.7 g 1.8 g
サツマイモ 2.3 g 0.5 g 1.8 g
キャベツ 1.8 g 0.4 g 1.4 g
タマネギ 1.6 g 0.6 g 1.0 g
リンゴ 1.5 g 0.3 g 1.2 g
ジャガイモ 1.3 g 0.6 g 0.7 g
ダイコン 1.3 g 0.5 g 0.8 g
白米 0.5 g 0 g 0.5 g

 

wikipdia:食物繊維より引用

 

食物繊維を効率よく摂取するには、上記食材を毎日の食事にうまく取り入れると良いでしょう。

 

バランスの良い食事

食物繊維を摂取するにあたって、他の栄養素と同様、過剰に偏った摂取(1つの食材ばかりを食べ続けるなど)には気をつけて下さい。

食生活の基本として、バランスよく上手に毎日の食事に取り入れていきましょう。

 

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