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がん予防のための食事

  • ここでは、米国対がん協会(American Cancer Society)が2012年に公表した「がん予防のための栄養と運動に関する米国対がん協会ガイドライン」に基づいてまとめています。

    このガイドラインによると、現代で最も進んでいる研究結果からは、食生活を見直すことや体を動かすことが、最もがん予防に効果があるとされています。

    ・健康体重を維持すること。

    ・運動をすること。

    ・植物性の食べ物に重点を置いた健康的な食事をすること。

    ・飲酒の制限をすること。

    また、2012年8月に行われたUICC(国際対がん連合)世界大会では、先進国におけるがんの原因として、喫煙 33%、肥満 20%、食事の内容 5%、運動不足 5%、アルコール 3%という研究結果も発表されました。

     

    ここからは特に食事に関することを見ていきたいと思います。

     

    健康体重を維持すること

    ガイドラインでは健康な体重を維持することと記されています。

    健康な体重とはどれくらいのことをいうのでしょうか。

    特にがん予防という意味では「肥満」に気をつけなければなりませんが、ガイドラインではやせすぎない範囲でという言葉にも注意していきたいです。

    関連して、肥満のみならず、やせすぎもがんのリスクを上げることが、日本人を対象とした大規模コホート研究で示されているようです。

    厚生労働省では、健康な体重を判定するためにBMIを参考にしています。

    BMI(Body Mass Index)とは肥満指数のことで、日本肥満学会は統計的に最も病気にかかりにくいBMI22を標準として定めています。

    BMIの計算式

    BMI = 体重(Kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

    ■肥満度の判定基準(日本肥満学会2000)

    BMI
    低体重(やせ) 18.5未満
    普通体重 18.5以上 25未満
    肥満(1度) 25以上 30未満
    肥満(2度) 30以上 35未満
    肥満(3度) 35以上 40未満
    肥満(4度) 40以上

    参考URL(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/himan/about.html)

    例)身長 160cm 体重 45kg の場合は次のように計算されます。

    45 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = 約17.6

    この場合、BMI17.6となり、肥満ではありませんが、低体重となるのでもう少しカロリーを摂取したほうが良いと判定されます。

     

    健康的な食事をすること

    次に健康的な食事をすることです。ここでいう健康的というのは、健康体重を達成あるいは維持するために必要な量をバランスよく摂取するということです。

    前回記事「焦げた食べ物で癌になる!?」において、「癌リスクを下げるにはバランスのよい食事を」の項でも取り上げましたが、偏らずバランスのとれた食事が良いとされています。

    食べたほうが良いとされるものは、野菜と果物をそれぞれ毎日2.5盛り(1盛り=りんご中1個に相当)程度摂取すること、また精製穀物製品(白米や白パン)ではなく全粒穀物(玄米や黒パン)を摂取することとされています。

    逆に食べるのに注意するものとして、赤肉(牛肉や豚肉など。但し鶏肉は含まない)や加工肉(ベーコンやハムそしてソーセージやサラミ)の摂取を減らすこととされています。

    さらに塩蔵食品および食塩の摂取については年々厳しく考えられており、厚生労働省では日本人の食事摂取基準(2015年度版)として次のように定めています。

    18歳以上男性の場合、8.0g/日未満

    18歳以上女性の場合、7.0g/日未満

    さらに詳細な情報は「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要 」をご覧下さい。

     

    飲酒の制限をすること

    飲酒についても同様に注意すべきとされています。

    摂取可能限度は、1日あたり、女性で1ドリンク、男性で2ドリンクとされています。

    1ドリンクはアルコール約10〜15gに相当しています。

    アルコール度数5%のビールでは、350mlでアルコール約13.8gとなりますので、女性で1本、男性で2本までが限度の目安となります。

     

    食と健康について考えていこう

    体は資本です。健康はすべての土台になります。

    上述してきたことは、がんだけではなく生活習慣病(高血圧、糖尿病、脳卒中など)の予防にも繋がります。

    これらの情報をもとに、改めて自身のあるいはご家庭の食生活を見直してみてはいかがでしょうか。

     

     

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