店頭に並ぶ鶏のたまごを選ぶ時、皆さんはどのような卵を選んで買っているでしょうか。
卵には殻の色が違うものだけでなく、有精卵・無精卵といった区別をされているものもあります。
それぞれのたまごにどのような特徴があり、なぜ値段に違いがあるのかまとめてみたいと思います。
殻色の違い
殻の色が異なる卵で代表的なものは白玉と赤玉があります。
白玉よりも赤玉のほうが値段が高く、それに伴って体にも良い印象を持っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、殻の色が異なるのは鶏の種類や遺伝子による違いがあるだけで、白玉も赤玉も栄養的には差がないことがわかっています。
では、なぜ赤玉は白玉と比べて値段が高いのでしょうか。
それは、白玉を産む鶏と比べ、赤玉を産む鶏のほうが餌を食べる量(同じ量の卵を産ませるために必要な餌の量)が多く、飼料代がかかるためのようです。
有精卵と無精卵による違い
次に、有精卵・無精卵という違いがあります。
有精卵は雄と雌を一緒に飼って受精させている卵で、ひよこになる卵です。
一方、無精卵は雌だけでも産める卵でひよこにはなりません。
一見してみると、ひよこにかえるのだから有精卵のほうが栄養価が高いはずであると思っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、栄養的には有精卵も無精卵も差がないことが分かっています。
鶏の種類による違い
白色レグホン、ロード・アイランドレッド、鳥骨鶏(ウコッケイ)など鶏には種類があります。
国内で最も見る機会の多い白玉は、白色レグホンが産むもので、白い毛に赤いトサカをもつ皆さんご存知の鶏です。
ロード・アイランドレッドは白色レグホンに比べると多くのエサを必要としますが、疫病などに強い特徴があり、これをベースに品種改良された鶏が赤玉を産みます。
しかし、前述したとおり白玉と赤玉の違いは、鶏による違いがあるだけであって、栄養価に違いはありませんでした。
一方、鳥骨鶏の卵は他のものと比べると高価であり、栄養価が高いと言われています。
しかし、卵自体は他と比べると小ぶりであり、小さい割には他と比べて栄養価が高いが、極めて高いということはないようです。
また、通常の鶏は年間300程度の卵を産むのに対して、鳥骨鶏は60個程度しか生まないことから、卵は希少であり高値で取引されています。
黄身の色による違い
関連して、黄身の色の違いについてもまとめておきたいと思います。
濃い色の黄身と薄い色の黄身はどちらが栄養価が高いと思われるでしょうか。
一見すると、濃い色の黄身のほうが栄養価が高いように思えますが、これも実はどちらも変らないのです。
色の違いは飼料に含有するカロテノイドと呼ばれる色素が卵黄へ移行する量で決まるため、栄養価には関係がないということです。
栄養価は変らない
結局、白玉・赤玉の値段に差がでるのは飼育にかかるコストとの兼ね合いであって、栄養的な差はないと言えます。
以上、異なる種類の鶏卵の栄養価に注目してまとめてきました。
少し高価ではありますが、鳥骨鶏など希少な卵を他の卵と食べ比べてみるのも良いでしょう。